AEQUITAS PRESENTS #最低賃金を1500円に して、みんなで幸せになろう

Q&A 経済政策として#最低賃金を1500円に 3

中小企業に税金まわせ

#最低賃金を1500円に するためには #中小企業に税金まわせ と言っていく必要があります。この2つには切っても切り離せない関係があるのです。

これからの日本社会は #再分配なくして成長なし だということがお分かり頂けたでしょうか。それでは #最低賃金を1500円に するためにはどうしたらいいのか? ここで #中小企業に税金まわせ なのです。詳しく見ていきましょう。

Q.1

最低賃金を引き上げると、中小企業の倒産が増えてしまうのでは?

A.

そのようなデータはありません。そもそも中小企業の主たる倒産原因は「販売不振」です。

「最低賃金を引き上げると中小企業の倒産が増える」という反論がよくありますが、この議論は中小企業の倒産原因を見誤っています。2005年から2014年にかけて最低賃金の全国加重平均は668円から780円に引き上げられましたが、2009年以降は倒産件数が減少していますので、最低賃金引き上げの動きと倒産件数の推移とには相関関係が見られません。企業共済協会『企業統計調査年報』によれば、同時期の倒産原因の6~7割が「販売不振」 で、年々その割合が高まる傾向にあります。倒産企業のほとんどが中小企業であり、その倒産の最大の原因は販売不振なのですから、中小企業の倒産が心配なのであれば、まずは「販売不振」の問題を解決すべきです。

そのためには、最低賃金を引き上げ、消費者の需要を高めることが有効なのです。しかしながら、企業の人件費の負担が増える事は明らかですから、政治主導による中小企業支援策は必須であるといえます。また、段階的な引き上げが望ましいのです。

中小企業の倒産原因 6〜7割が販売不振
企業共済協会『企業統計調査年報』 http://ri.bmaa.jp/home/kigyou-tousan-chousa-geppou より

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Q.2

倒産件数の減少はアベノミクスの成果だといわれていますが、中小企業の経営状況は改善しているのでしょうか?

A.

改善しているとはいえません。

帝国データバンクによれば、たしかに2015年の倒産件数は8,517件にまで減少しましたが、第2次安倍内閣発足前の2010年から倒産件数は減少に転じています。つまり、倒産件数の減少はリーマンショック以降の一貫したトレンドなのです。ですからこの数字をもってして、アベノミクスの成果だとはいえません。

さらに、倒産件数だけでは企業動向の全体像や経営状況の良し悪しは把握できません。2015年の「休廃業・解散」件数は23,914件で、倒産件数の約2.8倍です。経営者の高齢化、後継者難、業績悪化で廃業せざるをえない中小企業がいかに多いかがわかります。この問題は慢性的なものであり、簡単に中小企業の経営状況が改善しているなどといえる問題ではないのです。

中小企業の経営状況は改善しているといえない
帝国データバンク「第8回:全国「休廃業・解散」動向調査(2015年)」 https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p160105.pdf より

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Q.3

なぜ多くの中小企業は販売不振なのでしょう。企業努力が足りないのではないですか?

A.

大企業は空前の利益を上げていますが、その儲けは労働者や中小企業に波及していません。しかも、国内の下請中小企業の単価は切り下げられ、労働者の賃金は低下し、非正規雇用が増加しています。その結果、国内消費は冷え込み、低価格競争が蔓延しています。これが中小企業の販売不振の背景です。個々の企業努力には限界があります。政治による、抜本的な中小企業支援策が求められているのです。

国内消費は冷え込み低価格競争が蔓延

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Q.4

なぜ最低賃金引き上げと同時に、中小企業への支援が必要なのですか?

A.

多額の内部留保を蓄えている大企業とは異なり、最低賃金引き上げにともなう人件費増は、中小企業とって死活問題です。ですから、スムーズに最低賃金の引き上げを実施するためには、引き上げと同時に中小企業支援が不可欠なのです。最低賃金が引き上げられれば、短期的には企業の負担は増加しますが、そのぶん消費が増えます。

さらに、賃上げは働く人のやる気を引き出し、労働生産性の向上や離職率の低下、求人コスト・研修費用の低減につながります

中小企業支援は不可欠

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Q.5

大企業に比べて、生産性も競争力も低い中小企業を支援する意味は?

A.

中小企業の数は380.9万社で、全企業数に占める割合は99.7%です。中小企業労働者数は3360.9万人で、全労働者に占める割合は70.1%です(総務省2014年)。つまりは中小企業労働者の賃金が大幅に引き上げられることで、大多数の人びとの賃金増加、国内消費の増加、地域経済の活性化が期待できるのです。

また、中小企業には、地域コミュニティや伝統文化を支え、継承する役割があります。中小企業が元気になることは、地域社会の活性化や、伝統文化の継承につながります。中小企業は、「生産性」や「競争力」だけでは評価しきれない、社会的・経済的・文化的な役割を持っているのです。

中小企業労働者の賃金アップは、消費の拡大、地域の活性化につながる
※地域成長型に分類される小規模事業者の回答より 資料:全国商工会連合会「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」に基づき中小企業庁作成 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/06Hakusyo_part3_chap1_web.pdf

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Q.6

中小企業支援策って具体的にどういうものがあるの?

A.

事業主の社会保険料負担の軽減、中小企業向け減税が挙げられます。

大幅に最低賃金を引き上げたフランスとアメリカでは、最低賃金引き上げと同時に、手厚い中小企業支援を実施しました。フランスは事業主の社会保険料負担の軽減、アメリカは中小企業向け減税です。これらの中小企業支援策を参考にすべきでしょう。

2010年の厚労省調査によれば、「2020 年までのできる限り早期に最低賃金を800 円に引き上げた場合に国に期待する支援策」として中小企業家の期待が最も集まった支援策は「社会保険料負担等の軽減」(52.3%)でした。これは最低賃金引き上げによる人件費負担増を直接減殺する効果があると期待されています。最低賃金を引き上げる中小企業に税金をまわして、こうした中小企業支援を十分な予算でもって実施すべきでしょう。

中小企業から最も期待を集める支援策

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Q.7

安倍政権の中小企業支援策はどうなっていますか?

A.

最低賃金引き上げによる人件費負担は中小企業の経営努力で吸収し、その努力に対しては支援しますというスタンスです。

2016年1月29日に開催された第4回「1億総活躍国民会議」の配布資料「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」のなかで、2020年頃までに最低賃金1000円(全国加重平均)を目指し、「最低賃金の引上げに向けて、中小企業・小規模事業者の生産性向上等のための支援や、取引条件の改善等を図る」と述べられています。まだ具体的な中身は明らかにされていませんが、「生産性向上」に重点が置かれていることは間違いなさそうです。つまり、最低賃金引き上げによる人件費負担は中小企業の経営努力で吸収し、その努力に対しては支援するということです。政府の需要喚起策が失敗したなかで、政府が中小企業に対してより一層の経営努力を求めることは、さらなるコストカットや合理化への圧力に繋がりかねません。

また「取引条件の改善」とありますが、これがどこまで実効性のある施策であるかが問われます。実効性を持たせるには、例えば、労務コストが最低賃金を割り込むような低単価の発注を取り締まったり、賃上げなどのコスト増に伴う単価の引き上げを認めない元請け企業を規制する必要があります。そして違反した場合の罰則を強化することも必要です。

人件費負担増は、中小企業の経営努力で吸収しなさい。その努力は支援するよ。

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Q.8

日本の中小企業支援って海外と比べてどうなんですか?

A.

諸外国と比べると、きわめて貧しい水準です。

フランスの事業主社会保険料負担軽減策の予算規模は2兆2,800億円(2003~2005年)にのぼります。アメリカの中小企業向け減税は8,800億円(2007~2011年)の予算規模でした。大幅に最低賃金を引き上げたフランスとアメリカではこのような規模の予算を中小企業支援に当てましたが、日本政府が2011年から2014年にかけて実施した中小企業支援はたったの139億1,000万円でした。しかも支援内容は「生産性向上」を目的とした業務改善助成金がメインです。

このように、最低賃金引き上げのための中小企業支援についての日本政府の関心はきわめて薄いと言わざるをえません。しかも、「最低賃金引上げにともなう人件費負担増は、中小企業自身で生産性向上させて減殺せよ」という姿勢が日本の中小企業支援の際立った特徴です。これでは上がる最低賃金も上がりません。

中小企業向け支援策の比較
最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者支援事業の概要及び実施状況 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/0000051325.pdf

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Q.9

中小企業支援の財源は?

A.

財源はあります。

安倍政権は2014年度に約1兆2,000億円(2012年度の約2倍)の企業向け「政策減税」を実施し、その恩恵の約6割を資本金100億円超の巨大企業が受けています。また、減税額が最も大きいの が「研究開発減税」で、14年度の減税額は6,746億円にのぼりました。そのうち8割は大企業が恩恵を受けています(「特例減税の恩恵、大企業に集中 トヨタだけで1千億円超」『朝日新聞』2016年2月14日付朝刊)。

こうした大企業向け減税を見直すだけでもかなりの財源は確保できます。さらに、法人税率のUP、累進課税や資産課税の強化(実質的な富裕税)、金融取引への課税などにより、財源は十分確保することが出来ます。大企業の過剰な内部留保への対策にもなるでしょう。また最近話題となっているタックスヘイブンにも対策をたて、富裕層の課税逃れを防ぐことにも期待したいところです。

1兆2000億円の大企業減税

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Q.10

個人事業主への支援策はどうなるの?

A.

まずは早急に全国的な実態調査が必要です。

個人事業主が家族以外の労働者を雇う場合は、当然、最低賃金法が適用されますので中小企業と同様の支援が受けられるべきです。しかし問題は、最低賃金引き上げにより、個人事業主とその家族の必要最低限度の「自家労賃」と「利益」が確保出来なくなる個人事業主が生じてしまうことです。このような状況が生まれてしまうのは、多くの場合、下請工賃・単価、販売価格、サービス料金などが低く抑えられているためです。ですからQ.7にあるような規制が必要です。(労務コストが最低賃金を割り込むような低単価の発注を取り締まったり、賃上げなどのコスト増に伴う単価の引き上げを認めない元請け企業を規制する必要があります。そして違反した場合の罰則を強化することも必要です をリンクにする)最低賃金を前提にしても、必要最低限度の個人事業主の「自家労賃」と「利益」が確保できるような経営支援、取引や競争環境の改善を、政治主導で支援策を展開する必要があります。そのためにも最低賃金引上げに際して、まずは業種別地域別の個人事業主および中小企業に対する全国実態調査が必要なのではないでしょうか。

支援策を展開するため全国実態調査が必要

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以上がエキタスの #中小企業に税金まわせ という主張の中身です。最低賃金を上げる上げないの議論の前に、もともと日本は政府から中小企業への支援が手薄な状態です。これを機に議論が盛り上がり、世論を形作っていく契機になればと思います。

次のセクションのテーマは 貧困対策として #最低賃金を1500円に です。現在政府によって行われている施策への疑問点を洗い出していきます。

④へつづく(近日公開)

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